PEUGEOT/BMW DOHC 16-valve engine
INTRODUCTION
その姿に惚れて。だったが、止むを得ない事情で手放すことに。
はなからプジョー以外は選択肢から除外し、206 の面影を残している最後のモデル 207 へ乗り換えを決定。
発売時にボディーと同色のモールは締まりがないとかこのサイズでなぜ3ナンバーなんだとか散々けなしたのだが、個人的な好みから言わせてもらうと、美しいルックスのプジョー車はこれを最後にもう製造されていない。
フロントウインドーからノーズにかけての直線的傾斜がかろうじてキープされている。ここはどうしても譲れないところ。
走っている姿をほとんど見かけないビアンカホワイトのシエロにした。青い空や海に映えそうだ。
♥ ホワイトボディーとのコントラストがおしゃれなガラスルーフ。開放感があり手入れもラク。
♥ ハンドルの切れの良さ
♥ 長時間運転しても疲れないシート
♥ 中速からアクセルを踏み込んだときの加速の良さ
♥ 近くなったハザードスイッチ(206 ではヨイショと身を乗り出して押していた)
♥ 206 では塞がっていた前方の三角窓のおかげで視認性が良くなった。
♥ 広いラゲージスペース
乗り出し当初は、走行性能や乗り心地に文句をつけるところがほとんどないのがかえって、個性がなくなったというか拍子抜けというか、どこか物足りなさを感じた。
205 譲りの小気味好い出足は消え去った。パワーウエイトレシオも平凡なので、ノリノリで運転するタイプの車ではない。
目立つフロントエンブレムがニャンコの鼻みたいで愛嬌はあるが、完璧だった 206 のフォルムは崩れてポッチャリ気味に。
ワンモデルアップでこんなに変わったとは・・・ 206 への未練たらたら。
ありのままの 207 を受け入れるしかないのだが、ほかに気にくわないところを敢えて言うとすれば・・・
• なんとなく車体感覚をつかみにくい(ギリ寄せしにくいのでかえって安全かな)。
• ドアミラーは視野が狭く目視と併用しないと危険。とくに左後ろのタイヤあたりが見ずらいのでバック駐車の際には要注意。
206 のときは何の問題もなかった。いちいちミラーを動かすのも面倒だし・・・
• リアウインドウのガラスは広いのに、内枠のせいで後方視界が悪い。
• オートマは従来のD/3/2(マニュアルモードなし)にしたほうが使いやすいはず。スポーツモードは不要。
• グローブボックスにはたしかにグローブしか入らない。
• サングラスのような大きさのものを置ける場所がない。ハンドブレーキ下のトレーはレバーが邪魔で使い物にならない。
• マルチファンクションディスプレイの設定を灰皿の奥のコントローラーでやれと? 工夫が足りない。
• 運転席側のウインドウ操作スイッチの位置が後ろすぎる(フランス人は手が短いのか?)。
• シガーソケットは灰皿の中ではなく独立させるべきだ(拡張機器のコード引き回しのため)。
• ドアの締め切り音はだんぜん 206 のほうがよい。
• センターコンソールはもう少し気の利いたデザインにできなかったのかな。
細部の設計に手を抜かざるを得なかった理由がなにかあるのだろう。
気を付けなければならないのは、好きなサイドラインが長所とも欠点ともなるフロントガラスの日光グレア。反射で視界を奪われることがある。そのため念入りに油膜取りをした。
それにしても 206 は無駄も不足もなく考え尽くされた車だった(またまた未練たらたら)。いまだにがあったところへ思わず左手が動いてしまう。
ワンアンドオンリーの独創性からプジョーの転換が始まった過渡期の車と言えよう。
その後発売された 208 には、残念ながら 206 をはじめて見たときのトキメキを感じなかった。
かつての「プジョーはこれでいいのだ」という主張や自信が薄れたような気がする。
真似される側から真似する側になったということ。
この方向に今後進むのなら、もはやプジョーにこだわる理由もない。
私にとって 207 は最後のプジョーになるだろう。